前回、愛車を見守る防犯カメラを設置した筆者。とりあえずモニター代わりに接続したテレビの解像度はHDですが、防犯カメラのビデオレコーダーは4Kに対応しています。ちょうど「モンハンワイルズ」の発売に合わせてPS5を購入予定だったので両者兼用の4Kモニターを探すことにしました。さらに4Kモニターなら映画鑑賞も美しい映像で楽しむことができます。
さて、PS5は解像度4Kが標準仕様となり、フレームレートはなんと120fpsに対応しています。そのため、リフレッシュレート120Hz以上のゲーミングモニターを選ぶことが必要です。速い動きでも残像のないヌルヌルな映像でプレイでき、ゲームが快適になります。
フレームレートとリフレッシュレート
- フレームレート:1秒あたりに何コマ表示されて映像ができているかを表す指標です。単位は「fps」で、30fpsなら1秒間に30コマ、60fpsなら1秒間に60コマを示します。高いフレームレートは、ゲームの映像をより滑らかに表現します。特にFPSや格闘ゲームなど、一瞬の判断が勝負を左右するジャンルでは重要です。
- リフレッシュレート:映像を映すモニター側がゲーム機から出力された画像を1秒間に何枚切り替えて表示できるかを表す性能です。単位は「Hz」で、高フレームレートの映像を正確に表示するには、モニター側も同程度以上のリフレッシュレート性能を持っている必要があります。例えば、30fpsの映像を表示するには30Hz以上、60fpsの映像を表示するには60Hz以上のモニターが必要です。
PS5は最大120fpsまで出力可能ですが、最大限の性能を活かすにはリフレッシュレート性能が120Hz以上のモニターが必要です。ただし、全てのゲームが120fpsに対応しているわけではないため、高リフレッシュレートのモニターでなくてもゲームをプレイできます。
PS5の性能を引き出すなら4K&120Hzのゲーミングモニターが理想的
PS5の性能を引き出すには4K/120Hzに対応したモニターを選べばいい訳ですが、もうひとつ大事なことがあります。それは、モニターのHDMI端子がHDMI 2.1に対応しているかどうかです。
HDMI 2.1とは
HDMI 2.1は、次世代のHDMI規格で、高速伝送と高画質映像を実現します。以下はHDMI 2.1の主な特徴です。
- 高速伝送
- HDMI 2.1は48Gbpsの伝送速度を持ち、これまでのHDMI 2.0の約2.66倍の帯域幅を提供します。
- これにより、8K/60Hzの伝送が可能になりました。
- 高解像度と高リフレッシュレート
- 4K/120Hzや8K/60Hzなどの高解像度や高フレームレートをサポートします。
- より美しく滑らかな映像表示が可能です。
- ダイナミックHDR
- 動的HDR(High Dynamic Range)をサポートし、明るさや色の表現を向上させます。
従って、PS5で4K/120Hzの環境でゲームをプレイするには、モニター側もHDMI 2.1に対応している必要があります。ちなみにHDMI 2.0でも4K/60Hzまでの映像は普通に楽しめます。
4K&120Hzを満たすHDMI2.1搭載のPS5に完璧なゲーミングモニター
4K/120Hz/HDMI 2.1搭載で有名ブランドのゲーミングモニターをピックアップしました。このスペックを満たすゲーミングモニターは、市場では27インチから32インチ辺りのサイズが主流のようです。デスクに置いて目の前でプレイするなら27インチ、テレビ台に置いて少し離れてプレイするなら32インチといったところでしょうか。
ちなみに筆者が自室で使用しているテレビが32インチで、テレビ台に置いて少し離れて使用しています。
27インチ
まずは27~28インチのモニターです。
ASUS VG28UQL1A
HDMIポートを4つ備えているのが魅力的。使い勝手が良さそう。
画面サイズ | 28インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 1ms |
パネル | IPS |
HDR | |
端子 | DisplayPort x1, HDMI (v2.0) x2, HDMI (v2.1) x2,USB 3.0 x2, 3.5mmステレオミニジャック |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 2W × 2 |
付属品 | 電源アダプター, Ultra High Speed HDMIケーブル, DisplayPortケーブル, USBケーブル |
市場価格 | 約9万円 |
BenQ MOBIUZ EX2710U
ゲーマー御用達の人気ブランド。スピーカーは左右のステレオに追加してサブウーファーも搭載した2.1chタイプ。HDR 600で明暗差もバッチリ。
画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 1ms |
パネル | IPS |
HDR | 600 |
端子 | HDMI (v2.1)x2, DisplayPort (v1.4)x1, USB Type-Bx1, USB 3.0×4, ヘッドフォンジャック |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 2W × 2 + 5W ウーファー |
付属品 | 電源ケーブル, HDMI 2.1ケーブル, DPケーブル, USB3.0ケーブル(各約1.8m), リモコン |
市場価格 | 約13万円 |
Acer Nitro VG272KV3bmiipx
セール時は5万円台になるらしい…。コスパ最強!?
画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 160Hz |
応答速度 | 1ms |
パネル | IPS |
HDR | 400 |
端子 | HDMI 2.1×2, DisplayPort v1.4×1, ヘッドホン端子 |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 2W × 2 |
付属品 | |
市場価格 | 約7万円 |
32インチ
ここから下は32インチのモニターです。
LG 32UQ750-W
応答速度を気にしなければコスパに優れる。
画面サイズ | 31.5インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 4ms |
パネル | VA |
HDR | 対応(HDR10) |
端子 | HDMI 2.1×2, DisplayPort v1.4×1, USB Type-Cx1, USB 3.0×2, ヘッドホン出力 (ステレオミニジャック) |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 5W × 2 |
付属品 | HDMIケーブル, DisplayPortケーブル, USB Type-Cケーブル, AC-DC アダプター |
市場価格 | 約6万円 |
I-ODATA GigaCrysta LCD-GCU321HXAB
スクウェア・エニックスの検証基準を満たしたファイナルファンタジーXIV推奨ディスプレイ。
DVDなどの低解像度(SD画質 720×480)の画質の解像感を大幅に向上させる「超解像技術」を備えており、ブルーレイが主流の現在でもDVDを見る頻度が高い人には便利な機能。
画面サイズ | 31.5インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 1ms |
パネル | AAS(IPS方式) |
HDR | 400 |
端子 | HDMI 2.1×3, DisplayPortx1, USB Type-B, USB Type-Ax2, ラインアウト(音声出力), ヘッドホン端子 |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 3.5W × 2 |
付属品 | 電源ケーブル, HDMIケーブル, DisplayPortケーブル, ヘッドセット変換ケーブル, リモコン, 単4形電池x2, USBケーブル(A-B USB3.2 Gen1 1.8m) |
市場価格 | 約11万円 |
BenQ MOBIUZ EX3210U
先ほども登場したBenQでこちらは32インチモニター。2.1chのtreVoloサウンドシステムは、ゲーム以外にもライブや映画に適したモードもあり用途によって使い分けが可能。スピーカーを後付けする予定がなければ、これ1台でゲームから映画まで楽しめる。
画面サイズ | 32インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 144Hz |
応答速度 | 1ms |
パネル | IPS |
HDR | 600 |
端子 | HDMI (v2.1)x2, DisplayPort (v1.4)x1, USB Type-Bx1, USB 3.0×4, ヘッドホン端子 |
HDMI eARC/ARC | |
スピーカー | 2W × 2 + 5W ウーファー |
付属品 | 電源ケーブル, DPケーブル, HDMI 2.1ケーブル, USB 3.0ケーブル |
市場価格 | 約15万円 |
DELL Alienware AW3225QF
有機ELパネル採用で応答速度は爆速の0.03ms。常に発光している液晶ディスプレイは黒が完全に黒にならないのに対し、有機ELは黒が発光しないため、暗いシーンでリッチな色彩表現が可能。また、本ディスプレイのHDMIポートはeARCに対応しDolby Atmos(ドルビーアトモス)スピーカーを接続可能。
画面サイズ | 31.6インチ |
解像度 | 4K |
リフレッシュレート | 240Hz |
応答速度 | 0.03ms |
パネル | QD有機EL |
HDR | 400 |
端子 | DP 1.4×1, HDMI 2.1×2(eARCx1), USB Type-Ax3, USB Type-Bx1, USB Type-Cx1, ジョイスティック |
HDMI eARC/ARC | 対応(ドルビーアトモス対応のサウンドバーやAVアンプと接続可能) |
スピーカー | 非搭載 |
付属品 | 電源ケーブル, HDMI 2.1ケーブル, DisplayPort 1.4ケーブル, USB 3.2 Gen 1 (5 Gbps)アップストリーム ケーブル |
市場価格 | 約15万円 |
まとめ
PS5の性能を活かす「4K, 120Hz」を満たすゲーミングモニターは数多くあり、コスパ重視モデルから高性能モデルまで自身の用途で選ぶことが可能です。ただし、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したスピーカーを接続するにはHDMI端子がeARCをサポートしていることが必要で、これを満たすのがDELLの「Alienware AW3225QF」のみでした。
一方、ゲーミングモニターではなくテレビであればeARC端子は一般的なので選択肢は多くあります。しかも最近のテレビはPS5に完全対応させており、応答速度もゲーミングモニター並みの1msで、テレビのスピーカー自体がDolby Atmosに対応したモデルまであります。小さめのテレビなら価格もゲーミングモニターと大差ありません。(小さめといってもここで紹介したゲーミングモニター32インチより大きいものが多い)
ちなみにPS5も2023年のアップデートでDolby Atmosに対応しました。Dolby Atmosに対応したゲームや映画は今後ますます増えていくことが予想できるので、オーディオシステムをDolby Atmosに対応させれば更なる「没入感」が得られて楽しそうです。
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)とは
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)は、エンジニアやアーティストが音の一つひとつを立体的な空間に正確に配置し、サウンドを実際の生活で体験するようにリアルに再現する画期的な空間オーディオ技術です。従来のサラウンドサウンドに加えて、さらにレイヤーを追加することで、エンターテイメントにおいてプレミアムな多次元サウンドを体験できる空間オーディオテクノロジーです。Dolby Atmosは、映画、音楽、ゲームなどのエンターテイメントを体験する方法を変え、没入感あふれるサウンド体験を提供します。
HDMIのeARCやARCとは
eARCは、「Enhanced Audio Return Channel」の略で、オーディオ信号をテレビとオーディオ機器の間で1本のケーブルで伝送するための新しい技術です。ここで、いくつかのポイントを紹介します。
- HDMIとは?
- HDMI(High-Definition Multimedia Interface)は、高精細なビデオと音声信号を1本のケーブルで転送するためのデジタルインターフェースです。
- これにより、テレビやプロジェクターなどのエンターテインメントデバイスと、ストリーミングデバイスやゲームコンソールなどのソースデバイスを接続できます。
- HDMI ARCとは?
- ARCは「Audio Return Channel」の略で、サウンドバーやオーディオレシーバーをテレビと一緒に使用する際に便利です。
- 通常、3本のケーブルが必要ですが、HDMI ARCを使用すると、テレビからオーディオシステムへの接続に1本のケーブルで済みます。
- HDMI eARCとは?
- eARCはHDMIの最新バージョン (HDMI 2.1) として導入されました。HDMI ARCとほぼ同じ仕組みですが、さらに高い音声帯域を誇ります。
ほとんどのDolby Atmos(ドルビーアトモス)オーディオはHDMI ARCで再生できますが、eARCの方が高音質です。また、最新の機種であればほとんどがHDMI eARCに対応しています。

↑記事執筆時点での筆者のテレビ環境。HD解像度の32インチのテレビに2.1chの外部スピーカーをHDMI ARC接続で使用。一番左の大きなスピーカーが低音担当のサブウーファーで、小さなスピーカーには出せない「迫力」を添えて、ゲームに映画にと大活躍。

TVの背面のHDMI端子。ARCやeARCに対応している場合は写真のような記載がある。
「防犯カメラの4Kモニター選び」から完全に迷走してしまった筆者。ドルビーアトモスを色々調べているうちに「試してみたい」という好奇心でいっぱいで、頭の中では既に「自室をミニシアター化計画」がスタートしています。(続く)