LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社の42C3PJAは、最新の機能が満載の4K有機ELテレビです。今回紹介するCシリーズは、LGのテレビではスタンダードモデルに当たり、上位にはGシリーズ、下位にはBシリーズがあります。そして、このCシリーズである42C3PJAは、既に型落ちモデルのため定価22万円が10万円を切るバーゲンプライスのような価格で販売されています。
今回筆者がテレビに求めた機能は、ホームシアターで映画やゲーム(主にPS5)を楽しむことが目的で、
- 4K画質であること(サイズは42インチ)
- ドルビービジョンの再生に対応していること
- ゲーム用として応答速度が速い有機ELパネルを採用していること
- 同じくゲーム用としてリフレッシュレート120Hzを満たしていること
- ホームシアターと接続するためにeARC端子を備えていること
の5点です。これら全ての条件を満たしていたのでLGの42C3PJAを購入しました。
下記に特徴を記載しますが、他にも最新の機能が満載で、おそらく多くの人が求める要望をほぼ全てカバーしているのではないかと思います。
LG C3の特徴(2023年モデル)
- 4Kの有機ELパネルを採用(上位のGシリーズと同じパネルのOLED evo)
- 42インチから83インチまでの幅広いサイズ展開
- 壁掛けも容易な極薄のデザイン
- 画像やサウンドを最適化するAIプロセッサー搭載
- さらに美しい映像を可能とするドルビービジョン、HDR10、HLGに対応
- ドルビーアトモスに対応した2.0chスピーカーで、9.1.2chのバーチャルサウンドを実現
- webOS搭載で、インターネット環境さえあれば、ネット検索、YouTube、Netflixなどの動画配信サービスなどが利用可能
- 多彩なゲーム機能:HDMI 2.1規格、応答速度0.1ms、リフレッシュレート120Hz、VRR、ALLM、LG独自のゲーム詳細設定機能であるゲームオプティマイザ
- HDMI端子はeARC対応でサウンドバーやAVアンプとHDMIケーブル1本で接続可能
- AirPlay2に対応しており、スマートフォンの映像や音声をテレビに出力可能
- クラウドゲーミングサービスのGeForce NOWに接続可能で、インターネット環境とコントローラーを準備すれば、ゲーム機やPCを用意しなくても有名タイトルのゲームプレイが可能
LGの42C3PJAは既に型落ちなので新品が半額以下
LGの有機ELテレビ 42C3PJA(42インチ、定価22万円)は、2023年のモデルです。現在(2024年11月時点)は、2024年モデルの42C4PJAが販売されています。C3は、既に型落ちモデルとなるため、在庫処分のためか各種ECサイトで新品が10万円を切る価格で販売されています。ちなみに2024年モデルであるC4の実売価格は約18万円(定価29万円)です。型落ちとはいえ僅か1年前のモデルなので、その機能はほぼ最新といえます。流石に18万円はちょっと身構えてしまいますが、ほぼ最新の4K有機ELテレビが9万円台で購入できるのは、かなりのお買い得感があります。
最新モデルとの違い
2023年モデルのC3と2024年モデルのC4との違いは、AIプロセッサーが「α9 AI Processor 4K Gen6」から「α9 AI Processor 4K Gen7」に進化していることです。これにより「AIスーパーアップスケーリング」と「AIサウンドプロ」が更に進化しています。
- AIスーパーアップスケーリング:低解像度の映像を高精細な8K/4K画質に変換。世界中のさまざまな映像データを学習したAIが、映像の解像度や画質を判別し、より正確なノイズ除去を行う。
- AIサウンドプロ:BGMや環境音と音声をAIが分離させて、リマスタリングし、音声をクリアで歯切れよくすることで、さらに聞きとりやすくする「AIボイスリマスタリング」機能などを搭載。
LGのテレビはwebOS搭載でスマホやタブレットのような操作感覚
LGのテレビにはwebOSが搭載されていて、これを簡単に表現するならば「ちょっとしたパソコンが搭載されたテレビ」です。インターネットに接続すれば、グーグル検索などのブラウジング機能、Netflix、Disney+、Prime Videoなどの動画配信サービスや、AirPlayを用いてスマホのコンテンツをテレビで見ることなどができます。そして、このwebOSは、5年間のアップデートが保証されていて、毎年新しいOSが提供されます。

テレビの電源を入れるとホーム画面が表示されます。使用可能なアプリがズラリと並んでいますが、自分がよく使うアプリを先頭に持って来るなどのカスタマイズもできます。
また、ホーム画面を経由せずに、付属のリモコンからワンタッチで任意のコンテンツを表示させることも可能です。
見とれてしまうほど美しい有機ELパネルの映像美
有機ELパネルは、バックライトがなく黒が発光しないため、コントラストが高く、黒がより深く、色鮮やかです。さらに応答速度が非常に速いため、残像感が少なく動画が滑らかに表示されます。
LGテレビのHDR規格は、ドルビービジョン、HDR10、HLGに対応しており、例えばPS5を立ち上げるとHDRのロゴが表示され自動で認識されます。
LGテレビで実際に映像を見ると、ゲームをやっても映画を見ても、とにかく映像が綺麗で文句のつけようがありません。あまりに映像が美しいので、全く興味がない4K BS放送を時間を忘れて無駄に見てしまう程です。
よくいわれる「有機ELは液晶より暗い」というのは特に気になりませんでした。昼間でも何の違和感もなく普通に視聴できます。もしこの点を懸念しているのであれば、さらに輝度が高い上位のGシリーズを購入するのが無難です。
HDRは、High Dynamic Rangeの略で、従来の映像よりもはるかに広い範囲の明るさを表現できる技術です。これにより、より自然でリアルな映像を楽しむことができます。
- ドルビービジョン:シーンごとに最適な映像設定を自動で行うため、非常に高い映像品質を実現しています。
- HDR10:HDR規格の基礎となるもので、多くの機器でサポートされています。ドルビービジョンほど高度な機能はありませんが、十分な画質を実現します。
- HLG:テレビ放送など、リアルタイム配信に適した規格です。従来のSDRテレビでも比較的自然な映像として視聴できます。

Netflixにはドルビービジョンに対応した作品が多数あります。LGテレビなら、Netflixのプレミアムプランを契約すれば、4K、ドルビービジョン、ドルビーアトモスという最高の環境で映画が楽しめます。
42インチがあるのはCシリーズだけ
今回筆者がテレビを設置した部屋は、一般的な6畳程度の広さの部屋です。42インチというサイズは、6畳程度の部屋にちょうど良く、このサイズがあるのはLGの有機ELテレビだとCシリーズだけです。

以前は32インチのテレビでした。テレビ台の幅は約1mです。42インチを選択するとテレビ台の幅いっぱいになるので、少し大きすぎるのではないかという懸念から最後まで迷いました。
ちなみに32インチだとLGのテレビではサイズがないので、DELLのゲーミングモニター「Alienware AW3225QF」一択です。「4K/有機EL/120Hz/eARC」の条件を余裕で満たします。ただし、ゲーミングモニターなのでテレビ番組は見れません。

こちらは今回購入した42インチのLGテレビ 42C3PJAです。サイズは、「W932 x H540 x D41.1mm」でテレビ台の幅いっぱいに収まりました。視聴位置は約1mくらい離れた地点です。実際に視聴してみると、画面が大きくなった分、映画を見るには迫力が増して以前より快適です。一方、ゲームだと画面が大きい分、視線の移動が増えたので少しプレイしずらくなりました。
LGのテレビはPS5 Proの性能を最大限引き出せる
LGの42C3PJAは、有機ELパネルを採用しています。高性能なゲーミングモニターであっても、液晶パネルだと応答速度はせいぜい1ms程度ですが、LGの有機ELパネルなら0.1msと圧倒的に高速です。操作に対する反応が速くなるのと同時に、残像感をほとんど感じさせないくっきりとした映像は、ゲームとの相性が抜群です。
リフレッシュレートは120Hzで、HDMI 2.1で規定されているVRR(可変リフレッシュレート)、ALLM(自動低遅延モード)、QMS(クイックメディアスイッチング)にも対応しており、PS5などの最新のゲーム機本来の性能を余すことなく発揮できます。
また、LGテレビ独自のゲーム詳細設定を集約した「ゲームオプティマイザ」は、ゲームをプレイ中に現在のフレームレートをリアルタイムで画面に表示することができ、フレームレートが気になるゲーマーには嬉しい機能です。

ゲームプレイ中にリモコンの設定ボタンを押すと、画面に「ゲームダッシュボード」を表示させることができ、フレームレート等の現在のゲーム環境が表示されます。VRRや低遅延が自動でONになりPS5 Proとの相性も抜群です。
eARC端子搭載でホームシアターと簡単に接続できる
LGテレビのHDMI端子は、eARCに対応しています。これによりサウンドバーやAVアンプなどの外部スピーカーシステムをHDMIケーブル1本で接続可能です。ただし、eARCの機能を使うには「2.1規格のHDMIケーブル」が必要になるので注意しましょう。

筆者は、LGテレビ 42C3PJAとヤマハのAVアンプ RX-V6AをHDMIケーブルで接続しています。AVアンプには8つのスピーカーを接続して5.1.2chのドルビーアトモス環境で映画やゲームや音楽を楽しんでいます。
LGテレビに外部スピーカーを接続した時の設定方法
LGテレビにサウンドバーやAVアンプなどの外部スピーカーを接続したら音声の設定を変更する必要があります。

設定メニューから「音声」を選択します。

音声に入ったら「スピーカー設定」を選択します。

スピーカー設定に入ったら「有線スピーカーの使用」を選択します。
※LGサウンドバーを接続した場合は、「本体スピーカーと外部スピーカーを使用」を選びます。(後述します)

有線スピーカーの使用に入ったら「HDMI(ARC)デバイス」を選択して完了です。
LGサウンドバーと連携して気軽にスピーカーの多チャンネル化が実現
LGテレビとLGサウンドバーを一緒に使うと、1つのスピーカーのように連携して、より立体的な音響を再現します。簡単にスピーカーの多チャンネル化が実現するので、ホームシアター初心者や、手軽にスピーカーをアップグレードしたいと考えている場合に最適です。上で解説した「STEP 3 スピーカー設定」で、「サウンドバーだけ鳴らす」のか「サウンドバーとテレビのスピーカーを同時に鳴らす」のかを選択できます。
LGサウンドバー「SE6S」は、LGのテレビと接続することで、テレビとサウンドバーからのダブルサウンドによって臨場感豊かな視聴体験を提供する「WOW Orchestra」に対応しています。
LGがエントリーモデルのサウンドバー S20Aを新発売
LGは、「LG Soundbar」シリーズの新モデル「S20A」を2025年3月10日(月)より発売します。S20Aは、より多くの人に自宅でも高品質サウンドが楽しめるよう、優れた性能と使いやすい機能、手の届きやすい価格のバランスのとれたエントリーモデルです。最大出力50W 2.0chサウンドで、「Dolby Audio」・「DTS」に対応。くっきりと聴こえる明瞭なサウンドに加え、ウーファーと2基のパッシブラジエーターを搭載したことにより、深みのある、豊かなサウンドが楽しめるオールインワンサウンドバーです。さらに、AIによるサウンド調整機能や、使いやすい操作性により、サウンドバーを初めて設置する人にもおすすめの製品です。LGサウンドバーとLGテレビを連携させ、各種設定変更ができる「WOW Interface」にも対応しています。S20AとLGテレビを接続すると、テレビ画面上のwebOSのメニューにサウンドバーの設定項目が追加され、サウンドバーの音量調整や設定変更ができます。
サウンドバーやAVアンプを接続したらゲーム機側の設定も必要
サウンドバーやAVアンプを接続してPS5などのゲーム機でサラウンド音声を楽しむ場合、上で解説したテレビ側の設定に加えてゲーム機側の設定も必要になります。こちらの記事ではPS5とニンテンドースイッチの設定方法を解説しています↓

LGのテレビは「Apple Music」派におすすめ
LGのテレビは、「Apple Music」のアプリを搭載していて、ここから再生するとハイレゾを高音質で楽しむことができます。ヤマハのAVアンプでホームシアターをやる際に、Apple Musicの再生で「ある欠点」がありますが、LGのテレビと組み合わせると、この欠点を解消してくれます。詳しくはこちらの記事で解説しています。
AVアンプに接続した機器の電源が勝手に入ってしまう問題の対処法
LGのテレビの電源を入れて操作を始めると、AVアンプに接続したゲーム機やブルーレイプレーヤーなどの電源が勝手にONになってしまう問題があります。使う予定がない機器の電源が勝手にONになってしまうのは不便なのでこの機能をOFFにしましょう。

テレビに付属のリモコンをテレビに向けて「消音ボタン」を3~4回連続で押すと「メニュー項目を選択」という設定画面が開きます。ここから「自動電源」をOFFにすれば、AVアンプに接続した機器の電源が勝手に入ることはなくなります。
LGのテレビがあればゲーム機やPCが不要で最新のゲームがプレイできる!?
LGのテレビは、NVIDIAが提供しているクラウドゲーミングサービスのGeForce NOWに接続可能です。クラウドゲーミングサービスとは、ゲームの処理を自分のゲーム機やパソコンではなく強力なゲームサーバーで行い、その映像を自分のデバイスにストリーミングして遊ぶサービスです。インターネット環境とゲーム用のコントローラーを用意すれば、LGテレビで最新のゲームをまるで高性能なゲーミングPCを使っているかのようにプレイできます。コントローラーは、XboxやPlayStation用など多くのものが対応しています。システムの利用は、無料プランと有料プランがあり、無料プランではプレイ時間や画質に制限があるので、本格的に遊ぶには、やはり有料契約が必要です。ソフトは、100以上の無料タイトルを含む1900以上からSteamなどで配信されている有名なタイトルを遊ぶことができます。
- 無料プラン:0円(広告対応)、長い待ち時間、1時間のセッション
- 有料プラン(Performance):月額1790円(広告なし)、1440p QHD、短い待ち時間、6時間のセッション
- 有料プラン(Ultimate):月額3580円(広告なし)、4K HDR 240FPS、最短の待ち時間、8時間のセッション
LGの有機ELテレビの選び方
ここまでの記事を読んで「LGの有機ELテレビが気になった」という人に向けて、「LGの有機ELテレビの選び方」についてまとめました。こちらの記事ではグレードの違いや型番の読み方などを解説しています。
