ドルビーアトモスの天井スピーカーが2つの場合の設置方法比較:フロントハイトorトップミドル

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ホームシアターでドルビーアトモスの天井スピーカーの設置方法は主に3種類あります。

  • ハイトスピーカー:前方や後方の壁の高い位置に設置
  • トップスピーカー:いわゆる天井埋込タイプでスピーカーを真下に向けた配置
  • イネーブルドスピーカー:フロントまたはリアスピーカーの上に置いて天井反射を利用する配置

今回は、天井スピーカーを2つ設置する5.1.2chの場合で、フロントハイト(前方の壁の高い位置)とトップミドル(頭上)を比較します。

目次

フロントハイトとトップミドルの設置イメージ

ドルビーアトモスの天井スピーカーのフロントハイトとトップミドルの設置イメージは、それぞれ下のイラストの通りです。

出典:ヤマハ公式サイト

フロントハイトとして設置する場合、上のイラストのFPLとFPR(フロントプレゼンスLR)の位置になります。イメージとしては、前方の壁の高い位置といった感じです。スピーカーの向きは水平かやや下に角度を付けます。フロントハイトとしての配置は、ヤマハのAVアンプを使用する場合のおすすめの配置として説明書に記載されています。

出典:ドルビー公式サイト

一方、トップミドルとして設置する場合は、視聴位置の頭上に設置して、スピーカーの向きは下向きとなります。こちらはドルビー社がおすすめしている配置です。

フロントハイトとトップミドルを実際に設置して比較

筆者のホームシアターは、一般的な6畳程度の部屋の中に作った5.1.2chのスピーカー配置です。AVアンプは、ヤマハ RX-V6Aで、天井スピーカーとしてヤマハ NS-B210を2つ使用しています。

フロントハイトは壮大な音場空間を形成するが上から聞こえる感じが弱い

2つの天井スピーカーをフロントハイトの位置に設置しました。ヤマハの説明書にはハイトスピーカーの角度は明記されていないので水平方向に設置しています。
この配置の特徴は、音場空間が広く、自分の部屋が何倍にも大きくなったように感じます。感動レベルの体験ができるので、一般的にはこの配置がおすすめです(特にヤマハのAVアンプの場合)。しかし、唯一の欠点は、音が上から聞こえてくる感じが弱いことです。音の発生源が前方の壁にあるので仕方ないですが、本来上から聞こえてくるはずの音が、どちらかというと前方から聞こえます。

フロントハイトにした時の映画・音楽・ゲームの特徴

  • 映画鑑賞:上方の音場空間が広くて大迫力の映画鑑賞ができます。しかし、ヘリコプターが頭上を飛ぶ感じは弱くて、どちらかというと前方を飛んでいます。ただ、そういったシーンは一瞬なのでそれ程気になりません。
  • 音楽鑑賞(Amazon Music Unlimited)ヤマハのAVアンプの特徴であるシネマDSP 3Dの効果を最大限発揮できて、コンサートホールにいる感覚がとてもリアルに体験できます。ステレオスピーカーで聴くのとは一味違った新しい音楽体験ができます。毎日聴きたくなる癖になる気持ちよさがあります。
  • ゲーム(PS5の3Dオーディオ):上方の音場空間が広いので基本的には満足で大迫力のゲーム体験ができます。しかし、ゲームの場合は映画と違ってプレイヤーがその場に留まることができます。例えば、プレイヤーを音源の真下に移動させたときに、本来は真上から音が聞こえなければいけません。しかし、フロントハイトの設置だと真上の音が前方から聞こえてしまい違和感を感じます。

トップミドルはとても自然に聞こえるが音場空間が狭い

次にトップミドルの配置を試すために、フロントハイトスピーカーを取り外して視聴位置の頭上に移動させました。素人では天井にスピーカーを埋め込むのは無理なので、天井付近にポールを設置し、スピーカーが下向きになるように設置しました。

天井スピーカーの配置を変更したのでAVアンプの設定を「オーバーヘッド」に変更しました。そしてAVアンプに測定用マイクを接続し、自動音響測定を実行して各スピーカーの音量を最適化しました。

天井スピーカーをトップミドルとして頭上に配置すると、上方の音がとても自然に聞こえます。ヘリコプターが頭上を飛ぶようになり、ドルビーアトモスならではのリアルな3D体験ができます。しかし、最大の欠点は上方の音場空間がとても狭くなってしまうことです。狭い部屋でホームシアターをやっている感じが露骨に出ます。

トップミドルにした時の映画・音楽・ゲームの特徴

  • 映画鑑賞:飛行機やヘリコプターは、ちゃんと頭上を飛んでいるし、雷の音も空から聞こえるのでとても自然です。しかし、上方の音場空間が狭くなるので、残念なくらい迫力が下がります。
  • 音楽鑑賞(Amazon Music Unlimited):トップミドルの配置だとヤマハのシネマDSP 3Dの効果が薄いため、特別な感動がない普通の音楽鑑賞になってしまいます。音楽鑑賞用のステレオアンプに対してアドバンテージがなく、わざわざホームシアターのスピーカーで音楽鑑賞をする価値を感じません。
  • ゲーム(PS5の3Dオーディオ):上方の音場空間が狭くなって迫力は下がりますが、音の位置が正確なので、自分がゲームの世界に入ったようなリアルな体験ができます。バイオハザードで敵が天井を歩き回っているシーンなどはこのスピーカー配置がやはり自然です。音場空間が狭くなるデメリットを差し引いても、トップミドルの配置にする価値を感じます。

PS5の使用がメインでホームシアターを作るならこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

ホームシアターでドルビーアトモスの天井スピーカーを2つ設置する場合の設置方法を比較してきました。

  • フロントハイト:
    • 上方の音場空間が広く壮大なホームシアターになる
    • ヤマハのAVアンプの場合はシネマDSP 3Dが最大限の効果を発揮するので特におすすめ
    • 上から聞こえてくる感じは弱く、ヘリコプターが頭上を飛ばない
  • トップミドル:
    • 音の位置情報が正確でとても自然に聞こえる
    • ヘリコプターが頭上を飛ぶ
    • ゲームとの相性が良く、ホームシアターの使用目的がPS5メインならおすすめ
    • 上方の音場空間が狭く失望するくらい迫力が下がる

どちらのスピーカー配置もそれぞれ長所があって魅力的です。上位のAVアンプに買い替えれば天井スピーカーが複数設置できるので両者の良いとこ取りができそうですが、天井スピーカーが2つだけでもドルビーアトモスは十分楽しいので、今使っているAVアンプのヤマハ RX-V6Aをもう少し追求してみようと思います。そこで、天井スピーカーを2組用意して「スピーカーセレクター」で切り替えるということを試してみました。

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