この記事では「スピーカーセレクター」の配線方法や使い方など基本的な内容を解説します。今回は、1つのアンプから2組のスピーカーに切り替える方法を解説します。切り替えるスピーカーは、ドルビーアトモスの天井スピーカーで、「フロントハイト」と「トップミドル（オーバーヘッド）」です。ホームシアターの使用目的によって、フロントハイトスピーカーとトップミドルスピーカーをスピーカーセレクターで切り替えます。
ドルビーアトモスの天井スピーカーを用途によって切り替えたい
筆者のホームシアターは、一般的な6畳程度の部屋に作った5.1.2chのスピーカー配置です。
AVアンプはヤマハ RX-V6Aで、ドルビーアトモスの特徴である天井スピーカーは2つまで設置することができます。
天井スピーカーをフロントハイトとして使用する場合
天井スピーカーをフロントハイトとして使用する場合、前方の壁の高い位置に設置します。このスピーカー配置の特徴は、上方の音場空間が広く壮大なホームシアターになります。特にヤマハのAVアンプのシネマDSPとの相性が良く、一般的にこのスピーカー配置がおすすめです。映画を観ても大迫力ですが、上から音が聞こえてくる感じは弱いです。（ヘリコプターが頭上を飛ばない）
天井スピーカーをトップミドル（オーバーヘッド）として使用する場合
天井スピーカーをトップミドルとして使用する場合、視聴位置の真上（頭上）に設置します。このスピーカー配置は、PS5の3Dオーディオに対応したゲームをプレイするのに最適です。映画を観てもヘリコプターが頭上を飛ぶのでリアルさを求めるならこの配置がベストです。しかし、フロントハイトに比べて上方の音場空間が狭く、迫力が下がります。
簡単にまとめると、ホームシアターでPS5をプレイする場合は「トップミドル」で、それ以外の場合は「フロントハイト」というように天井スピーカーをスピーカーセレクターで切り替えて使います。
スピーカーセレクターの使い方
今回使用するスピーカーセレクターは、2つのアンプから4組のスピーカーに切り替えできますが、今回は「1つのアンプから2組のスピーカー」に切り替えます。価格は４千円くらいなのでスピーカーセレクターの入門用に最適です。
AVアンプの天井スピーカー用端子と接続したスピーカーケーブルをスピーカーセレクターの「AMP SPEAKER IN」に接続します。
2つのアンプが接続できるので「IN 1」と「IN 2」がありますが、今回は「IN 1」に接続しました。
1組目の天井スピーカー（筆者の場合はフロントハイト）と接続したスピーカーケーブルをスピーカーセレクターのSPEKER OUTに接続します。接続先は4つありますが、今回は「OUT 1」に接続しました。
同様に2組目の天井スピーカー（筆者の場合はトップミドル）と接続したスピーカーケーブルを「OUT 2」に接続します。
これで配線作業は完了です。
配線が完了したスピーカーセレクターを適当な場所に設置します。スピーカーセレクター本体は、小型でスリムなので設置場所には困りません。配線は全て後ろ側なので、前面の見た目はスッキリしています。
今回は2組のスピーカーを「OUT 1」と「OUT 2」に接続したので、スピーカーセレクターの前面スイッチの「1」か「2」を使います。鳴らしたい方のスピーカーに対応したスイッチを押して実際に音を出してみましょう。
ついつい忘れがちなのが、AVアンプ側の天井スピーカーの設定変更です。スピーカーセレクターでスピーカーを切り替えたらAVアンプの設定変更も合わせて行います。ヤマハ RX-V6Aの場合、リモコンから設定画面に入り、フロントプレゼンスの配置を「フロントハイト」か「オーバーヘッド」を対応するスピーカーに合わせて選択しましょう。
- スピーカーセレクター 1番 → フロントハイト
- スピーカーセレクター 2番 → オーバーヘッド
重要：スピーカーセレクター使用上の注意点
スピーカーセレクターを使用する際に同時に複数のスピーカーを鳴らすとアンプに負荷が掛かるので絶対にやめましょう。今回の場合だとスピーカーセレクターの「1」と「2」を同時に押してはいけません。今回使用したスピーカーセレクターで切り替える際の注意点として、「1」が押してある状態で「2」を押しても「1」が解除されません。つまり「1」から「2」に切り替えたい場合、「1」をオフにしてから「2」をオンにする必要があります。