ホームシアターでドルビーアトモスをやる場合に設置の難易度が高いのが天井スピーカーです。素人では天井にスピーカーを埋め込むのは無理なので、天井付近に棒を設置して、その棒にスピーカーを吊り下げる簡単な方法を解説します。棒として使用するのは「突っ張り棒」です。横方向の突っ張り棒だけだと素人目に見ても落下の危険を感じるので、縦方向の突っ張り棒を2本使用し、その2本間に横棒を固定する方法にしました。壁や天井に穴あけが不要なのでマンションやアパートなどの賃貸物件や一人暮らしの部屋の設置にも向いています。
突っ張り棒としてカーテンレールを流用

筆者の部屋は、一般的な6畳程度の部屋でドルビーアトモスに対応した5.1.2chのスピーカー配置のホームシアターです。
天井スピーカーは、写真のようにフロントハイトの位置に設置していましたが、今回はこのスピーカーを頭上(トップミドル)に移動させます。わざわざ頭上に移動させる理由は、PS5で3Dオーディオに対応したゲームをプレイした時に違和感を感じたからです。


天井釣りするスピーカーは、ヤマハ NS-B210でサイズは105W×215H×132Dmmで天井釣りしても違和感のない大きさです。重量は1.6kgです。スピーカーの背面にはネジ穴がないので底面のネジ穴を使います。底面のネジ穴は、M6ネジで深さは14mmです。
出典:楽天市場
縦方向の突っ張り棒として流用したのは「カーテンレール」です。楽天市場のsouplesseというショップの商品でリアルタイムランキングで1位になっているようです。2本の縦棒が突っ張り棒となっていて、その2本間に横棒をネジで固定します。横棒も伸縮可能で、伸縮幅が最大290cmということで、筆者の部屋の両端に縦棒を設置することができました。耐荷重も10kgあるということで、今回吊り下げるヤマハ NS-B210の重量が1個 1.6kgなので余裕があります。価格は約4千円です。
突っ張り棒とスピーカーの設置作業

2本の突っ張り棒を部屋の両端に設置します。付属の説明書に従って、棒を天井までの高さより数cm長くして固定してます。
棒はバネ式になっているので、バネを縮めて床と天井の間に押し込むようにして設置します。
筆者の場合、天井との相性から天地逆転して設置しました。
同じ要領で2本目の縦棒も設置しましょう。

次に横棒を設置します。横棒を伸ばして両端の縦棒に固定します。この時、作業しやすいように腰の高さあたりで仮止めします。

天井釣りのためにスピーカー取付金具として流用したのは、「防犯カメラ取付金具」と「ステンレスホースバンド」です。
ヤマハ NS-B210のネジ穴が底面にあるのでL字型の取付金具を選びました。
筆者は以前、防犯カメラをDIYで取付したことがあったので、その時の経験が活かせました。
ステンレスホースバンドは写真の位置に取り付けるとバランスが良いです。

スピーカー取付金具をカーテンレールにぶら下げます。後でステンレスホースバンドを締め付けますが、カーテンレールに傷を付けたくないなら、間に何か噛ませましょう。

写真のようにスピーカー取付金具の中央の穴とヤマハ NS-B210の底面のネジ穴をM6ネジとワッシャーで固定します。スピーカーケーブルは予め付けておく必要があります。
同じ要領で2つ目のスピーカーも取り付けましょう。
こんなネジセットをひとつ持っていると便利です。

2つのスピーカーをぶら下げたら、正確な位置を決めて、ステンレスホースバンドを締め付けて固定します。スピーカーは真下を向くことはありませんが、この程度なら気にならないと思います。

カーテンレールの横棒を天井まで上げて固定します。筆者は一人で作業しましたが、片側10cmずつくらい交互に上げていくと、一人でも天井に設置できます。

スピーカーケーブルは、画びょうで天井にピン止めしてAVアンプの裏に降ろしています。完全に素人配線ですが、取り外しも楽でメンテナンス性に優れているので気に入っている方法です。

AVアンプの天井スピーカーの設定を確認しましょう。
ヤマハのAVアンプ RX-V6Aの場合、リモコンから設定画面に入り、フロントプレゼンスの配置を「オーバーヘッド」にします。
以上で作業は終了です。ドルビーアトモスの天井スピーカーを頭上(トップミドル)に設置しました。トップミドルとフロントハイトの違いはこちらの記事で解説しています。