Amazonなどで手軽に導入できるH.VIEWの防犯カメラシステム。導入当初はそのコストパフォーマンスの高さに満足していても、24時間365日の常時録画という過酷な運用を続けたとき、果たして何年耐えられるのか?という寿命の問題は、すべてのユーザーが抱く共通の疑問です。筆者のH.VIEW防犯カメラシステム(屋外PTZカメラ+レコーダー+HDD)も、導入からおよそ2年が経過しました。1年目は何一つトラブルなく完璧に動作していましたが、2年目に入って「異変」が起き始めました。
「原因不明のリセットが2回発生し、数分間の録画停止。その後、首振り機能が停止した状態で再起動(録画再開)する」
この症状は、単なる一時的な不具合なのか、それともシステム全体の寿命が近づいているサインなのか。今回は、レコーダー内部のHDD(S.M.A.R.T.情報)を診断し、2年間の連続稼働がハードウェアにダメージを与えているのかをチェックします。
2年間、愛車と家を守り抜いた「防犯カメラシステム」の構成
今回、24時間365日の連続稼働という過酷なテストに挑んでいる我が家の防犯カメラシステムをご紹介します。そもそもこのシステムを導入したのは、「多発する自動車盗難から大切な愛車を守りたい」という切実な思いからでした。屋外に設置し、駐車場と玄関付近を「24時間、一瞬も休まず」監視し続けています。

また、昨今では住居に侵入する強盗事件が多発しています。防犯カメラの設置をアピールすることで、その抑止力として効果を発揮します。
防犯カメラ:H.VIEW 屋外PTZタイプ PoE給電対応(500万画素)

メインとなるのは、コストパフォーマンスに定評のあるH.VIEW製の防犯カメラです。
- PTZ(首振り)機能: 「パン(横)・チルト(縦)・ズーム」の略で、カメラの向きをスマホや設定から自由に変えられるタイプです。
- 自動パトロール: 指定した場所と時間をスケジュールに合わせて自動で首振り切り替えを行い、死角を最小限に抑えながら録画しています。
- 500万画素の高精細: 駐車場に停めた愛車のナンバープレートや、玄関に近づく人物の顔まで鮮明に記録できるスペックを備えています。
- 有線式: ソーラー式は、曇りや雨の日が続いた際の「バッテリー問題」が不安なので、常時電源を供給できる有線式タイプを採用しています。

スマートな設置を可能にする「PoE給電」の仕組み
屋外カメラの設置で最も苦労するのが「電源の確保」ですが、このシステムではPoE給電を採用することでその問題を解決しています。
- LANケーブル1本で完結: PoE(Power over Ethernet)とは、LANケーブルを通じてカメラに電力を供給する仕組みです。
- 屋外電源工事が不要: 部屋にあるビデオレコーダー(NVR)から、窓の隙間を通せるほど薄いフラットLANケーブル1本を屋外に引き出すだけで、電源と映像信号の両方を伝送できます。
- DIY設置に最適: コンセントを増設する電気工事の必要がないため、個人でも非常にスマートかつ安全に設置することが可能です。
屋外に電源不要で防犯カメラを設置する方法はこちらの記事で解説しています↓

ビデオレコーダー:H.VIEW NVR PoE給電対応(4K・8チャンネル)
カメラで捉えた映像を24時間休まず記録し続ける「システムの心臓部」には、カメラと同じH.VIEW製のビデオレコーダーを採用しています。

NVR(ネットワークビデオレコーダー)とは?
NVRは、ネットワーク経由で映像をデジタル録画する装置です。
- スマホでどこでもチェック: インターネットに接続することで、外出先からでもスマホアプリを通じてリアルタイムの映像や過去の録画を確認できます。
- 4K対応の高画質録画: 500万画素のカメラが捉えた高精細な映像を、劣化させることなくそのままのクオリティで保存可能です。

最大8台まで拡張可能なPoE給電ポート
レコーダーの背面には、カメラに電源を供給するためのPoEポートが備わっています。
- ケーブル1本で接続完了: LANケーブルを挿すだけで「映像転送」と「電源供給」が同時に行えるため、配線が非常にシンプルです。
- 将来の増設にも対応: 最大8台までのカメラを接続できるため、監視エリアを広げたくなった際もスムーズに拡張できます。
- テレビへの出力も簡単: モニターやテレビとの接続は、一般的なHDMIケーブル1本で完了します。パソコンのような複雑な設定なしで、大画面で防犯映像を確認できるのが魅力です。
HDD(ハードディスク):Western Digital「Purple」4TB
ビデオレコーダーの中に鎮座し、2年間一瞬も止まることなく映像を書き込み続けているのが、このハードディスク(HDD)です。

防犯カメラ専用設計の「Purple」を採用
HDDなら何でも良いわけではありません。世界的なHDDメーカーであるWestern Digital製の「Purple」というモデルを採用しています。
- 24時間365日の連続稼働を前提: 一般的なパソコン用HDDとは異なり、監視カメラシステム特有の「常に書き込み続ける」という過酷な負荷に耐えられるよう専用設計されています。
- 高い信頼性と耐久性: 防犯カメラ用として最適化されているため、データの読み書きエラーが起きにくく、長期運用における安心感が違います。
- 4TBの大容量: カメラの増設も考慮して、余裕のある4TBを選択しました。

設置は驚くほど簡単!DIYで安く仕上げる
「レコーダーの中にHDDを設置する」と聞くと、少しハードルが高く感じるかもしれません。しかし、実際に行ってみると作業は非常にシンプルでした。
- コネクタを挿すだけ: レコーダーの蓋を開け、専用のケーブルでHDDを接続してネジで固定するだけです。
- コストを抑えられる: HDDが別売りのレコーダーを選び、自分で「Purple」を組み込むことで、最初からHDDが内蔵されているモデルよりも高品質なシステムを安価に構築できました。
具体的な取り付け手順や24時間常時録画した際のデータ保存期間などについて、以下の記事で詳しく解説しています↓

この2年間のメンテナンス状況:「ほぼ放置」
「24時間録画を2年間」と聞くと、こまめな点検や清掃が必要なイメージを持たれるかもしれません。しかし、筆者の環境では驚くほど手間がかかっていません。
日々のルーティンは「確認」のみ
実際に行っているのは、以下の2点だけです。
- 毎日の映像チェック: モニター(テレビ)で「今日もちゃんと映っているか」を数秒確認するだけ。これは防犯意識を高めるルーティンにもなっています。
- レコーダー付近の埃掃除: 室内にあるNVR(ビデオレコーダー)の周りに埃が溜まらないよう、掃除機をかけるついでにサッと拭く程度です。精密機器にとって埃は熱がこもる原因になるため、ここだけは意識しています。
屋外カメラは「完全ノーメンテナンス」
驚かれるかもしれませんが、屋外に設置した防犯カメラ本体には、設置してからこの2年間、一度も触れていません。
- 清掃なし: 直射日光や雨風にさらされる場所ですが、500万画素の鮮明な視界は保たれたままです。
- 配線のチェックなし: PoE給電によるLANケーブル1本の接続が非常に安定しており、断線や接触不良も起きていません。

屋外のLANケーブル接続部分には「防水対策」を施しています。これが功を奏しているかもしれません。
2年目に突入して起きた「謎の異変」
導入から丸1年、一度のトラブルもなく「完璧」に動作していたH.VIEWの防犯カメラシステム。しかし、運用開始から2年目に入り、「異変」が発生しました。
突然の「録画停止」と「原因不明のリセット」
その異変はある日、デイリーワークである「映像チェック」をしているときに発覚しました。モニターに映像は表示されていましたが、首振り機能が停止していたのです。
- 症状1:数分間の録画空白: 前日の録画データを確認すると、意図しないタイミングで数分間だけ録画が止まっている箇所がありました。
- 症状2:自動再起動の形跡: システムが勝手に再起動(リセット)されていることが判明。
- 症状3:首振り(PTZ)機能の停止: 厄介なのが、再起動されるとカメラが通常通りのパトロールを行わず、特定の方向を向いたまま「首振り機能が停止」してしまうことです。首振り機能が停止された状態で録画が再開されます。
この現象が、運用2年目に合計2回発生しました。これは、ブレーカーが落ちたりする停電や、電源を引っこ抜いてしまうような強制終了をすると起こる症状ですが、前日にそのようなことが起こった記憶はないので「原因不明のリセット」です。

「故障」か、それとも「寿命」か?
再起動後に首振りが止まってしまうことから、以下の3つの原因が考えられそうです。
- HDDの寿命: 24時間書き込み続けているHDDに物理的なエラーが発生し、システムがフリーズした?
- 電力供給の不安定: 2年経ってPoE給電やACアダプターが劣化し、PTZ動作時の負荷に耐えられなくなった?
- システムエラー: 一時的なもの?
果たして、24時間録画を支え続けてきたハードウェアの現状はどうなっているのか。簡単にできそうなメンテナンスとして「HDDの健康状態」を確認することにしました。
HDDの健康状態の確認:「S.M.A.R.Tテスト」を実行した結果
原因不明のリセットを受け、真っ先に疑ったのが「HDDの寿命」です。24時間休まず映像を書き込み続けて丸2年。最も酷使されているパーツの状態を、ビデオレコーダーに内蔵されている診断機能で確認してみました。
誰でもできる「S.M.A.R.T.テスト」の手順
H.VIEWのNVRには、HDDの健康状態をセルフチェックできる機能が備わっています。

- 管理画面の「メンテナンス」から「HDD」を選択
- 「S.M.A.R.T.テスト」のタブを開く
- 画面下の「テスト」ボタンをクリック
ボタンを押すと、HDDから「ジージー」という読み書きの音が聞こえ始め、テストが進行します。数分間、静かに待ちます。
テスト結果:2年間の連続稼働でも「異常なし」
テスト完了後、画面に表示されたステータスは以下の通りでした。
- ディスク温度:43℃(安定した動作範囲内)
- 自己評価:OK
- 総合評価:良好
結論として、HDD本体には物理的なエラーやセクタ不良は一切見当たりませんでした。
24時間の書き込みを約2年間続けてもなお「良好」という結果は、さすが監視カメラ専用設計のWestern Digital「Purple」といったところです。
「HDDはシロ」なら真犯人は誰だ?リセットの原因考察
HDDの診断結果が「良好」だったことは嬉しい誤算でしたが、同時に「では、あのリセットは何だったのか?」という新たな謎が浮かび上がります。2年間の運用データと今回の挙動を照らし合わせ、考えられそうな原因を考察してみましょう。
- 電源アダプターの「瞬間的な電力不足」
カメラ本体やレコーダーへ電力を送るACアダプターの経年劣化です。- PTZ動作時の負荷: カメラが自動パトロールで首を振る瞬間、モーターを動かすために通常より大きな電力が必要です。
- 電圧ドロップ: 2年経ってアダプターが弱り、最大負荷に耐えきれず一瞬だけ電圧が低下。それが「心臓部」であるレコーダーのリセットを引き起こした可能性があります。
- ビデオレコーダーの「自動メンテナンス」設定
実は故障ではなく、レコーダーの設定による挙動の可能性もあります。- 多くのビデオレコーダーには、動作を安定させるために「週に1回、指定した時間に再起動する」というような設定があります。
- 2年経って内部の埃などにより再起動時の初期化に時間がかかるようになり、たまたまそのタイミングでPTZ(首振り)の原点復帰に失敗し、機能が止まってしまったのかもしれません。
- コネクタ端子の「微細な酸化」
2年間、一度も触れていない屋外のLANコネクタ部分。- PoE給電はLANケーブル1本で電力を送る便利な仕組みですが、端子に目に見えないほどのサビや汚れが溜まると、電気抵抗が増えます。
- これが原因で給電が不安定になり、ふとした拍子に瞬断が起きたことも考えられます。
まとめ:日々の映像確認が、愛車と家を守る最後の砦
防犯カメラシステムを導入して丸2年。1年目はノートラブルでしたが、2年目に入り「原因不明のリセット」という小さな、しかし見過ごせない予兆が顔を出しました。今回のトラブルを早期に発見できたのは、デイリーワークとして毎日欠かさず「映像チェック」を行っていたからに他なりません。もし放置していたら、いざという時に「肝心なところが撮れていなかった」という最悪の事態を招いていたかもしれません。
この記事のポイント
- 2年目の壁: 1年目は順調でも、2年目からはハードウェアや設定の異変が起きやすくなる。
- HDDの信頼性: 24時間録画を支えるなら、やはりWestern Digital「Purple」のような専用設計品が安心。
- 毎日のチェック: 録画されている「結果」を数秒でも確認する習慣が、システムの異常を察知する。
今後も、今回のような予期せぬエラーが発生する可能性は十分にあります。しかし、適切なHDD診断や日々の観察を続けることで、H.VIEWの防犯カメラシステムは高い防犯能力を維持できることが分かりました。エラー発生を踏まえて、これからも今まで以上に注意深く監視を続けていきます。

